皮膚常在菌と免疫の関係について

いつも当院をご利用いただき、誠にありがとうございます!

今回は、免疫についてのお話をさせていただきます。
一番お伝えしたい内容は、
手の洗い過ぎは免疫力を下げる可能性がある
ということです。

この理由について順序立ててご説明してまいります。

まず免疫の構造についてです。

免疫とは有害な病原体から身を守る機構のことを指します。
その免疫は多層構造になっており、大きく分けると2段階あります

1段階目は、病原体を物理的に体内に入れない為の肌や粘膜(口腔、鼻腔、食道、胃、腸)です。
2段階目は、皮膚や粘膜を突破して体内に入り込んだ病原体と戦う為の細胞(白血球)です。
免疫としてよく耳にする“抗体”はこの部分に含まれます。

人体は口から肛門まで一本の筒状構造になっており、ちくわのようなイメージが分かりやすいかと思います。
外側が皮膚、中の空洞部分が粘膜です。

厳密にいうと、粘膜も外気に接しているので“体の外側”と言えるでしょう。

一般的には、2段階目である抗体の有無が免疫の中で重要視されていますが、抗体というのはあくまでも最後の砦であり、普段はほとんど発動することはないと言われています。

実は、1段階目である皮膚や粘膜が免疫の最前線であり、最大の主戦場なのです。
ほとんどの病原体はここでやられてしまいます。
それほど、この免疫機構は強力なのです。

何故かと言いますと、我々の皮膚や粘膜は、表皮ぶどう球菌、黄色ぶどう球菌を始めとした皮膚常在菌でびっしりと覆われています。
その皮膚常在菌は皮脂などを餌にして脂肪酸の皮脂膜を作り出しています。

この皮脂膜は弱酸性です。
病原体は酸性に弱く、生きることが出来ません。
つまり皮膚常在菌が作り出す皮脂膜は病原体が付着するのを防ぐバリアになるのです。

口腔や食道内、胃や腸内の粘膜にもとてつもない数(約100兆個)の細菌が存在し、体を守ってくれています。

皮膚や粘膜にこのようなバリアがしっかりと築かれていれば、病原体に体を侵されることはほぼないと言えるでしょう。

以上の事を考えますと、
過度な手洗いやアルコール消毒で皮膚常在菌をやっつけてしまうと、せっかく作られたバリアが破壊され免疫力を下げてしまう恐れがあります。

よかれと思ってやり過ぎることで、逆に感染リスクを高めてしまうのです。

あくまでも、手はほどほどに洗うのが丁度いいと言えます。
(流水で10秒〜20秒、使うのは薬用ではない固形石鹸)

よく小さなお子様が手を舐めたり何でも口に入れたりしていますが、これは色々な細菌を体内に取り込み、免疫力を高めていると言えます。

これが小さなお子様の手をアルコール消毒してはいけない理由です

綺麗にし過ぎは、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の一因にもなり得ますので、お悩みの際は常在菌の存在を大切にした生活を心がけてみてください。

一般情報とは真逆の理論になりますが、体質改善の一助となれば幸いでございます。

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